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知る人ぞ知る、「雪と着物の街」十日町の着物

2017.11.12
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「着物」と聞くと、京都を思い浮かべる人も多いと思いますが、実は新潟県十日町市も高級織物の一大産地の一つです。
ここではそんな十日町の着物文化について、ご紹介します。

Contents

日本有数の織物産地!十日町の着物の特徴

着物の一大生産地であり、中世の時代から織物をしていた歴史のある十日町。
そんな「着物の街」十日町の着物には、2つの特徴があります。

1つ目は、十日町の各着物製造メーカーは着物の織物が完成するまでの工程を一貫生産できる点!
京都などでは工程ごとに分業するのが一般的なので、すべて1社で完結できるというのは珍しいんですね。
1社で完結しているため、各メーカー毎に多様な技術を開発し、継承しているんですよ。

2つ目は、「織」と「染」の両方を1つの産地で生産している点です。
「織」は糸に模様を予め染めてから織物にするタイプ、「染」は友禅に代表されるような白い織物に色をつけるタイプのものです。
全く異なる技法の着物が同じ土地で作られているというのも、珍しいようです。

「織」の着物

 

「染」の着物

というわけで、十日町ではバラエティーに富んだ着物を見つけることができますのが魅力です!
その中でも特に有名なのは伝統的工芸品である「十日町明石ちぢみ」と「十日町絣(とおかまちがすり)」ではないでしょうか。

 

十日町の着物と言えば!「十日町明石ちぢみ」

「十日町明石ちぢみ」は、さらっと軽い着心地で夏に涼しく着られる着物です。
「ちぢみ」と言いますが、十日町のちぢみは独自技術のため実際には縮みません!
明石ちぢみは絣の手法で予め糸に模様を配色してから織られるのですが、最大の特徴は生糸を強く撚ってから湯もみすることで、独特の凸凹を出しているところ。
夏でもさらっと着られます♪

肌ざわりが本当にさらさら!

 

いろんなパターンがあって、ついつい目移りしてしまいます。

「十日町絣(とおかまちがすり)」

十日町絣も明石ちぢみと同様に「織」の着物で、予め設計通りに色付けされた糸を縦横の配色を合わせながら手作業で織って作ります。
こちらも職人技が光ります。

このように織られた後に模様が染められているものもあります。
とっても華やかですね。

 

十日町の着物の歴史について

十日町の織物の歴史は長く、1500年前の遺跡にも機織りに使われる道具が出土されています。
また、1500年前の遺跡からも機織りに使われる道具が出土されており、織物の歴史は非常に長いんです。
中世の時代には、すでに越後の麻織物は品質の良い高級品として当時の皇族や貴族が着られていたようです。
室町幕府・江戸幕府ともに越後縮を武士の正装(式服)に指定していたくらい、有名だったんですね。

このように確固たる地位を確立していた十日町の高級布は麻素材だったのですが、幕末期以降にその織り方を絹に応用する技法が確立され、その後十日町絣、十日町明石ちぢみが生まれました。

昭和期には友禅染の技術も確立され、十日町友禅の華やかな着物も作られています。

そんな十日町の着物は、地元のみならず日本中の多くの愛好家に親しまれています。
十日町にお越しの際は、是非一度着物屋さんや着物工場を見学してみてくださいね!

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