白銀の世界に広がる「棚田」の絶景ウォーク
日本有数の豪雪地帯として知られる新潟県十日町市。夏には青々とした稲が揺れる美しい棚田も、冬になると数メートルもの雪に覆われ、まるで水墨画のような幽玄な白銀の世界へと姿を変えます。この体験では、雪国で古来より人々の足として親しまれてきた民具「かんじき(伝統的なスノーシュー)」を装着し、その幻想的な景色の中へと足を踏み入れます。 現代的なスノーシューとは一味違う、伝統的な道具ならではの歩行感覚を楽しみながら、新雪を踏みしめて進む冒険心は格別です。普段は雪深くて近づくことのできない棚田の懐深くへ入り込み、360度見渡す限りの銀世界と、起伏に富んだ棚田が織りなす美しい曲線を独り占めできるのは、この季節だけの特別な体験です。
地元ガイドが案内する里山の暮らし
このツアーの魅力は、単なる雪上散策にとどまりません。地元を知り尽くしたガイドと共に約1時間かけて棚田や周辺の里山を巡ることで、この土地の奥深い魅力に触れることができます。ガイドは、厳しい冬を乗り越えるために先人たちが編み出した生活の知恵や、美しい景観を作り出している棚田が本来持っている「治水」や「生態系保全」といった役割について、分かりやすく解説します。 また、雪の上に残された小動物の足跡や、春を待つ木々の冬芽など、ガイドの視点を通すことで初めて気づく自然の発見もたくさんあります。一見静まり返った雪原にも、脈々と受け継がれてきた人々の暮らしの息遣いや、豊かな自然の営みがあることを肌で感じられる時間となるでしょう。
雪の上で味わう特別なティータイム
雪原散策で程よく体を動かした後は、誰もいない雪原がそのままオープンカフェへと早変わりします。遮るもののない大自然の中で提供されるのは、地元・十日町の山野に自生する香木「クロモジ」を使った天然のクロモジ茶と、ほっとする甘さのお菓子です。クロモジ特有の爽やかで上品な香りは、心身をリラックスさせてくれます。 凛と張り詰めた冬の澄んだ空気の中で、湯気の立つ温かいお茶を口にする瞬間は、何ものにも代えがたい至福のひとときです。静寂に包まれた雪景色を眺めながら、温かいお茶で身体の芯から温まる体験は、都会の喧騒を忘れさせ、五感すべてで雪国の冬を満喫する贅沢なリラクゼーションとなるはずです。

