過去から住み継がれた棚田のある里山の暮らしの風景
日本の美しい里山の風景。十日町には棚田を中心とした里山の暮らしが今も息づいています。
里山は人々の暮らしと自然が調和した絶妙なバランスによって保たれています。その象徴としてこの地域では”棚田”のある風景が日常の中にあり、生物多様性の中に人々の暮らしが組み込まれています。はるか昔からこの地域の人々は稲作と共にあり、棚田とは切っても切り離せない存在です。
長い歴史の中で多様な役割を果たしてきた、古道・松之山街道を中心に歩きます。松之山街道は越後の武将・上杉謙信が関東出陣で何度も歩いた、正真正銘の「サムライの古道」です。街道にはひっそりと石仏や神社が佇み、かつては要所でもあった山城の跡地が通りがかる人々の安全を願っているようにも感じられます。
アウトドアガイドが里山や雪国の暮らしについてご案内
歴史も感じられるこの里山の風景は人々の暮らしと動植物の暮らしとが交わる場所でもあります。かつてと今の暮らしの違いや、自然との折り合いについては専属ガイドがご案内します。
例えば、かつて使われていた古道や、雪と共に暮らす上で必要な工夫が施された建物、ブナ林から染み出る湧き水、数百年に渡り集落を見守り続ける石仏など個性あふれる里山で人々の営みを覗いてみましょう。里山に住む雪国の人々の暮らしについて話を聞きながら山を巡っていると、時には道中に農作業などをしている集落の人々と会話をする場面もあるかもしれません。
里山の美しさの裏に見える課題
多くの人の心をひきつける棚田や里山の景色は、常に人々の手が入ることで維持されてきました。実はそれは多くの人の継続的で膨大な作業を必要としますが、これまでその役割を担ってきた里山の集落では高齢化が進み、そのような多大なエネルギーを生み出すのが困難な状態に陥っています。
一方で、棚田に水が張られ「水鏡」が見えるようになる時期になると、棚田の周りはその景色を無償で楽しむ多くの来訪者で混雑します。正直なところ、集落や棚田の耕作者からすると複雑な心境です。
このように、棚田からは今の日本が抱える普遍的な課題を垣間見ることもできます。本ツアーを通してそれらの課題について少しだけ考える機会を持っていただけたら幸いです。
※本ツアー参加費には、コースで訪れる棚田を含む里山の景色を守っている集落への寄付金や活動費が含まれます。